組み込みソフトウェアの開発プロセスと開発環境
組み込みソフトウェアの開発プロセス
組み込みソフトウェア開発は、一般的なソフトウェア開発と比べて下記の特徴がございます。
組み込みソフトウェア開発では、特定のハードウェア上で動作するため、ハードウェアの仕様や動作に合わせた開発が必要です。また、組み込みソフトウェアは家電製品や自動車などのリアルタイムシステムで使用されることが多いため、時間的な制約の中で動作する必要があり、リアルタイム性が要求されます。組み込みシステムとしては、限られたメモリや処理能力で動作するため、効率的なプログラム設計が求められます。
これらの特徴を踏まえた一般的な組み込みソフトウェア開発プロセスは、大きく以下の流れです。
①開発環境の整備
②プログラム記述、文法エラー修正
③ハードウェア上でのデバッグ
④プログラム修正
組み込みソフトウェアの開発と、パソコン上で動作する一般的なソフトウェアの開発の流れとある一点を除いては、大きく差はありません。それは開発環境と動作環境が異なるという点にあります。組み込みソフトウェアは開発を行うハードウェアと実際の動作を行うハードウェアが別々であるため、ソフトウェアのプログラムを組み込み機器側で実行させ、その結果を開発ハードウェア側に表示させるといった通信・制御の仕組みが必要となります。
組み込みソフトウェアの開発環境
組み込みソフトウェア開発には、下記のような開発環境が利用されます。
・総合開発環境(IDE):ソースコードの編集、コンパイル、デバックなどの機能を統合した開発環境です。
・リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS):リアルタイムシステムで動作するソフトウェア開発に必要な機能を提供します。
・クロス開発環境:開発用ホストコンピュータ上で、ターゲットハードウェア向けのソフトウェア開発をおこなう環境です。
・シミュレータ:ターゲットハードウェアをソフトウェア上で再現し、ソフトウェアの動作を検証するツールです。
組み込みソフトウェアのOS種類
組み込みソフトウェアのOSには「汎用OS」と「リアルタイムOS(RTOS)」に分かれます。
汎用OSは、リアルタイム性が求められない組み込みシステムで使用されるOSで様々なアプリケーション開発に利用可能です。
「リアルタイムOS(RTOS)」は、リアルタイム性が求められる組み込みシステムで使用されるOSです。適切な時間内に適切な処理を完了させられるように組み込まれています。このようなリアルタイム性の実現を目的に、敏速なスケジューリングや中断処理、タスク管理などの機能を備えていることが必要です。車用ECUや産業用ロボットなどのアプリケーションでは、システムの円滑な動作が必須です。したがって、汎用OSではなく、あらかじめ設定された時間内に処理を実施する、リアルタイム性の高いRTOSが求められます。
<リアルタイムOS例>
・μC/OS-ll:小型でシンプルなRTOS
・FreeRTOS:オープンソースのRTOS
・VxWork:高性能なRTOS
組み込みソフトウェア開発なら、当社にお任せください。
組み込みソフトウェア開発は、ハードウェアと密接な関係、リアルタイム性の要求、メモリや処理能力の制限などの特徴を持つ専門的なソフトウェア開発です。これらの特徴を理解し、適切な開発プロセス、開発環境、OSを選択することで高品質な組み込みソフトウェア開発を実現することができます。当社では、回路設計・組み込みソフトウェアの知見を持つエンジニアが在籍し、ハードウェア・ソフトウェア双方から全体設計を行なうことで、要求仕様・要求動作を実現するための最適な設計を行います。もちろん、組み込みソフトウェアのみの開発も可能です。お気軽にお問い合わせください。
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