高効率電源回路の設計と発熱対策のバランス
電子機器の小型化・高性能化が進む中で
電源回路の高効率化はますます重要なテーマとなっています。
制御基板やIoTデバイス、FA機器、医療機器などでは
複数の回路ブロックに異なる電圧を安定供給しながら
限られたスペースで発熱を抑制することが求められます。
しかし 「変換効率を高めれば発熱も減る」という単純な関係ではなく
効率・放熱・ノイズ・コストのバランスを取る設計判断が欠かせません。
高効率を実現するための電源回路設計の基本
電源回路は一般的に「線形(リニア)レギュレータ」と「スイッチングレギュレータ」に大別されます。
リニア方式は構成がシンプルでノイズが少ない反面 電圧差分がそのまま損失熱になるため
電流が大きくなると効率が大きく低下します。
一方 スイッチング方式はオン/オフ制御でエネルギーを伝達するため高効率を得やすく
現在の主流となっています。
設計段階では、以下の観点が重要になります。
1.入力電圧と出力電圧の差を小さく取る
無駄な電圧降下を抑えることで効率が向上
2.PWM周波数の最適化
周波数を上げるとリップル低減や小型化に有利だが、スイッチング損失やEMIノイズが増加
3.インダクタ・コンデンサの選定
許容電流やESRなどの特性を考慮した部品選定は、効率と信頼性の両面で非常に重要
設計初期で負荷電流プロファイルを分析し
静的・動的な電流変動に対して効率が最も高くなる条件を把握することが成功の鍵です。

発熱要因の分析とその抑制方法
電源の発熱は 主にスイッチング損失、導通損失、磁気損失などから発生します。
これらを抑制するには、発生源ごとに対策を整理することが有効です。
1.スイッチング損失対策
素子のオン抵抗(Rds(on))が低く、ゲート電荷特性の優れたMOSFETを選定し
ゲート駆動波形を適正化
2.ヒートシンクとの熱抵抗最適化
放熱パッド・絶縁シート・グリースの導入で熱伝導効率を向上
3.エアフロー設計
自然空冷(対流)か強制空冷(ファン)かを見極め
冷却風が高温部分を優先的に通るようレイアウトを最適化
リアルタイム制御で特に重宝
これらの熱設計は電気設計と機構設計の連携が重要です。
おわりに
高効率化を追求すると、スイッチング周波数の上昇に伴ってEMIノイズが増加する傾向があります。
ノイズ対策としては スナバ回路やフェライトビーズの適用、スルーレート制御などがありますが
これらは同時にスイッチング損失を増やす要因にもなります。
つまり、“効率・放熱・ノイズ”の3要素は常にトレードオフ関係にあるため
どの要件を優先するかを明確にして設計を進めることが重要です。
当社では 電気とメカの両部門が協力し
熱影響やノイズ発生を含めた「実動作環境での最適設計」を目指しています。
基板・筐体の双方から見た対策提案により、高効率と信頼性の両立を実現しています。
組み込み開発なら、当社にお任せください。
当社は、回路設計・基板設計、メカ設計といったハードウェアの設計領域から、組み込みソフトウェア、システム開発といったソフトウェア領域まで、一貫対応が可能です。また、部品実装や組立といったものづくりの領域まで対応できるODM企業として活躍しています。
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