概要
プレス金型は、単発型、順送型、トランスファー型 の3種類に分けられ製品の形状、生産量などによって使い分けられます。
<単発型>
1回の加工に特化した単発加工に用いられる金型です。
メリット
・工程ごとに部品の状態を確認することができ、カスタマイズし易いなど柔軟性に優れている
・金型の価格は、順送型・トランスファー型に比べ、部品点数が少なくなるため安価
デメリット
・人の手で材料を金型にセットし1ショット毎にプレス機を変える必要があるため、大量生産には不向き
・各工程において全て人手が掛かってしまうため、製品コストは割高になる
・小ロットの製品でも形状によっては、単発金型を複数製作する必要がある
・操作や設置の違いにより製品の品質がバラツク可能性がある
<順送型>
複数の工程(せん断、絞り、曲げなど)を1つの金型の中に等ピッチ間隔で配列してまとめた金型です。主にロール状のコイル材を使用し、プレス機1回転ごとに1ピッチずつ送り装置で金型内に送られ各工程を順番に加工するプレス金型ということで順送金型と言われています。部品の形が単純であったり、板金の厚みが薄い場合に向いています。
メリット
・人手がかからず加工速度も速く比較的小型の機械でも大量生産が可能なため製品コストは安価
・次の工程へ材料を移動させるためのトランスファー機構が不要
・決まった動作を繰り返し加工するため精度のバラツキが少ない
デメリット
・単発型と比べ金型構造が複雑になるため金型の価格は高くなる
・製品以外のスクラップ部分が多く材料ロスが多い
<トランスファー型>
1つのプレス機に異なる工程の単発型を工程順に配列して加工するよう設計されたプレス金型です。フィンガーと言われる送り搬送装置で製品を挟み次工程へ移動させる構造になっています。高い精度で複雑な形状の部品を生産することができます。
メリット
・単発型の集合体ということで各工程を取り外して調整が可能なためメンテ性に優れている
・製品で必要なブランク材料からの加工となるため、材料ロスが非常に少ない
・人手がかからないので大量生産に向いており、製品コストは安価
デメリット
・機械自体が大型化する傾向にあるので専用の工場スペースや設備投資が必要になる
・順送金型に比べると加工速度は劣る