マイコン用の電源回路を設計するにあたり以下の点を注意する必要があります。
①リップル、ノイズについて
マイコン用の電源にスイッチングレギュレータを使用する場合はスイッチング動作でリップルが発生する可能性があります。リップルはマイコンの仕様範囲内の変動であれば直接動作に影響を与えませんが、その中に含まれる高調波成分がノイズ源になることがあります。対策としてデカップリングコンデンサやチョークコイルなどを使って、リップルの低減やノイズを抑える必要があります。
②電圧の安定性について
マイコンの電源に電池を使用する場合、電圧の低下に注意する必要があります。電源電圧が規格外になるとマイコンの動作は保証されません。電池の電圧低下の対策として、マイコン自身で電源電圧をチェックして外部にアラームを出して、外部(ユーザー)に電池交換を促す必要があります。
③電源の電流供給容量について
電源の電流供給容量が小さいと、大電流により電圧が低下します。また電源の出力インピーダンスが小さい場合でも、このような電圧低下が発生します。そのためマイコンの消費電流の最大値を計算した上での電源設計が必要となります。
電源を入れた瞬間に大電流が流れる現象、突入電流が発生します。これは主に電気回路内のコンデンサ成分を充電する電流によって発生します。コンデンサが充電されれば、電流値も小さくなります。この突入電流を考慮しないで電源容量を設計すると、起動時の大電流による電圧降下でマイコンは起動しません。