マイコン用のリセット回路を設計するにあたり以下の点を注意する必要があります。
①遅延、ノイズについて
リセット信号が遅延するとリセット信号を出力するまでの時間が長くなり、システムが正常に動作しない場合があります。対策としてリセット信号の配線長を短くする方法と、遅延を補償する回路を追加する方法があります。
リセット信号にノイズが乗ると意図しないリセットが引き起こされ、システムが正常に動作しない場合があります。対策としてリセット信号の配線をシールドする方法、リセット信号にフィルタ回路を追加する方法、リセット信号の電源を別途用意する方法などがあります。
②信号の安定性について
意図しないリセットを防ぐためにはリセット信号の安定性の確保が必要です。リセット信号の立ち上がり時間、立ち下がり時間、リセット信号の幅、リセット信号の電圧レベルなどを考慮した設計をする必要があります。
マイコン用の主なリセット回路として以下の回路があります。
1.ウォッチドックタイマ回路
ウォッチドックタイマとはマイコンのプログラムが暴走・停止していないかを監視するタイマです。一定周期内に信号が入力されなければリセットが行われます。ウォッチドックタイマはマイコンに内蔵されているものもありますが、外部ウォッチドックタイマとして回路に組み込むこともできます。
回路に組み込むことでマイコンから独立して監視することができ、システムの安全性をより高めることができます。
2.パワーオンリセット回路
パワーオンリセットとはICの電源を投入した際に安定した状態でシステムを起動させるための回路です。マイコンに電源が供給されると同時にパワーオンリセット回路が動作してリセットがかかります。
マイコンによってリセットが解除される時間が異なります。
■パワーオンリセット回路例
■リセット端子の電圧波形