組み込みソフトウェアにおけるC言語の重要性
組み込みソフトウェアとは?
組み込みソフトウェアとは、電子機器や組み込みシステムに搭載されて動作するソフトウェアのことを指します。組み込み機器は限られた用途・目的を果たすものであるため、組み込みソフトウェアの機能も限られます。つまり、必要最小限のソフトウェア・ハードウェアで構成されることにより、低コストでの提供が実現します。一方で、パソコンはさまざまな機能を実現できる汎用性が高い機器です。多くの機能をこなすために搭載されるCPUも高機能なものになるため、組み込み機器と比べると高価になります。
またマイコンに組み込まれたソフトウェアはファームウェアと呼ばれ、基板をはじめとしたハードウェアの動作を制御します。
組み込みソフトウェア開発の言語
プログラミング言語の種類は様々です。一般的に使用される言語だけでも、その数は200語以上に上ります。コンピューターの処理速度の向上やプログラムの大規模化によって派生した言語も数に入れると、1,000を超えるプログラミング言語が存在していると言われています。その中でも、代表的な組み込みソフトウェアの開発言語を以下に記載します。
・C言語
・C++
・Python
・MicroPython
・Java
・JavaScript
・Rust
なぜ今でもC言語が主要な言語なのか?
上記でご紹介したプログラミング言語の中でも、組み込み機器で最も使用される開発言語はC言語です。おそらく世界のどこでも、組み込みのソフトウェア開発に使う言語と言えばC言語に尽きると思います。そのC言語の起源は1972年アメリカでUNIXの開発から生まれたとされています。では、50年前に誕生したC言語がなぜ今でも広く使用されているのかについてはいくつかの理由があります。
①汎用性が高い
C言語はOSの移植を容易にする目的で作られた言語で、メモリ領域の管理や、ポインター演算、ビット毎の論理演算など、ハードウェアに密着した処理がしやすいのが特徴です。そのため、組み込みソフトやスマホのアプリケーションでも利用され、何にでも対応できる自由度の高さが評価されています。
②プログラミングの実行速度が速い
プログラムは実行時に機械語に翻訳する必要があり、その翻訳の仕方によって、コンパイル言語とインタプリタ言語に分類されます。C言語はコンパイル言語に分類され、実行前に全てのプログラムを機械語に翻訳するため、インタプリタ言語に比べて処理が速くなります。
③OSやプロセッサに依存しない
C言語のプログラムは様々なOSやプロセッサで実行が可能なため幅広い動作環境に対応できます。基本的に、C言語は特定のOSやプロセッサに依存しない仕様になっているため、WindowsやmacOS、LinuxといったOSはもちろん、Intel社・AMD社・ARM社といった主要メーカー製のプロセッサにも対応します。また、C言語の標準規格がANSI(米国国家規格協会)によって制定されているため、新しいシステムへのプログラム移植などが簡単に実施できます。
C言語の将来展望
C言語は今後も組み込みソフトウェア開発で重要な役割を果たしていくと考えられます。今後C言語は以下のような方向に進化していくと考えられます。
〇安全性:メモリ安全性や並行処理の安全性など、安全性を向上させる機能が強化される
〇使いやすさ:開発初心者でも使いやすいように記述方法が簡略化される
〇新しい技術への対応:IOTやAIなど新しい技術に対応できる機能が追加される
C言語は組み込みソフトウェアにおいて長年にわたって主要な言語として使用されてきました。新しい言語も注目されていますが、C言語の重要性は今後も変わらず重要な言語です。
組み込み機器の開発なら、当社にお任せください。
組み込み機器 受託開発・生産センターを運営する株式会社サンエスは、組み込みソフトウェアの受託開発を行っています。また、当社は回路設計・組み込みソフトウェアの知見を持つエンジニアが在籍し、ハードウェア・ソフトウェア双方から全体設計を行うことで、要求仕様・要求動作を実現するための最適な設計を行います。もちろん、組み込みソフトウェアのみの開発も可能です。お気軽にお問い合わせください。
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