マイコン用のLEDドライバ回路を設計するにあたり以下の点を注意する必要があります。
①LEDの駆動電流 設定値について
LEDにはアノード(A)とカソード(K)と呼ばれる極性があり、アノードからカソードへとある一定の電圧を印加すると電流が流れます。
このアノードからカソードへの向きに印加している電圧のことを順方向電圧(VF)といい、LEDを発光させるために必要な電圧となります。
順方向に電圧を加えた時に、LEDに流れる電流を順方向電流(IF)といいます。LEDは、この順方向電流の値により明るさが変わります。
LEDの電流設定値については、一般的には約20mAとされていますが、LEDの種類や使用用途によって異なるため
データシートで確認することが必要です。
②絶対最大定格について
LEDの種類や色により適切な電流や電圧の最大値が決まっており、これらの値を定格といいます。
また、少しでも超えてはいけない値を絶対最大定格といい、もし超えて使用した場合LEDが破損する可能性があります。
③周囲温度に対する影響について
LEDはわずかな電圧の変化で、流れる電流の値が大きく変化します。周囲温度が高くなるにつれて、LEDの順電圧が下がるため、低い電圧でもたくさん電流が流れるようになります。
大きな電流が流れると、LEDはその分強く発熱するため、温度が上昇し、LEDの順電圧が下がり、電流が流れやすくなりLEDが発熱します。この循環が繰り返されるといわゆる熱暴走が起きてしまう危険性があります。
・・・下図参照
④LEDの明るさの調整
LEDの明るさを調整する方法として以下の方法があります。
①アナログ調光方式
アナログ調光とはLEDに流れる電流を調整することで明るさを制御する手法です。LEDに流す電流を連続的に変えているためLEDのちらつきがありません。
②PWM調光方式
PWM調光方式は、LEDの点灯/消灯を高速で切り替えることで明るさを調整します。点灯している時間が長いほど明るくなり、点灯している時間を短くすれば暗くなります。この点灯時間と消灯時間の長さを決めるのがPWM信号になります。実際には、PWM信号のデューティー比(オン時間とオフ時間)の割合を調整することで、明るさを制御します。
・・・下図参照
ただし、点灯と消灯を繰り返す周波数が低いと、ちらつきを感じてしまいます。一般照明器具であれば、200Hz程度で問題ありませんが、製造ライン等で使用する場合には1kHz程度と高めに設定する必要があります。